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ドゴン族と住まいについて
ABOUT DOGON HOME

 


ドゴン族(Dogon)はマリ共和国のニジェール川流域に面したバンディアガラ断崖に居住する民族です。
 
標高差が約500mで約200kmにも渡るという劇的な断崖の一帯に、約700の村で約25万人が暮らしているとされます。
 

ドゴン族の村

もともとこの地域には、紀元前3世紀ごろから別の民族が暮らしていましたが、その後さまざまな民族が住みつき、最終的に14世紀ごろドゴン族が住み始めたされています。
彼らは、奴隷商人から逃れるために、敵が攻めづらく眺めが良いこの場所に移住したと言われています。
 
ドゴン族の人々は、崖の中や崖の下など、断崖に張り付くように、またはその裾野に暮らしています。
四角い形をした彼らの独特の住居は、動物の糞やキビの藁が配合された昔ながらの粘土づくり。ワラ葺きのとんがり屋根の建物は倉庫で、屋根の上は穀物を干す場所でもあるため、屋根の上に登るときには、木を削ったはしご使われます。
 

ドゴン

倉庫には男性用・女性用があり、男性用は食料を、女性用は衣類を保管しているのだそう。壁や扉の彫刻は、神話を視覚的言語で表したもので、例えば扉に描かれたワニは、家の中の人々を守ってくれるのだそうです。
 
長い歴史の中で、何世代にもわたって文化や信仰を受け継いできたドゴン族の住むバンディアガラの断崖は、1989年に世界遺産に登録されています。
 

※マリでは2012年に起こったクーデターを発端とした10年以上にわたる紛争状態から治安が非常に悪化しており、2025年現在、危険情報レベル4(退避勧告)が出されています。


 

ドゴン族の仮面とダンスとは
ABOUT MASK AND DANCE

 


ドゴン族の迫力の仮面ダンスは、今では一部観光イベントとしても見ることができますが、本来、特別な儀式としての役割があります。
 
ドゴン族の独自の知識や宇宙観の伝承は、神聖な儀式を通して行われてきました。
儀式にはそれぞれ役割のある仮面をつけた人が現れ、ダンスを踊ります。

ドゴン族

仮面をつけた儀式には、さまざまな種類があります。その中でも、死者が次の世界に行く橋渡しの儀式「ダマ」と、60年に一度行われる「シギ」は、その代表的な儀式です。
 
「ダマ」は神聖な別れとして機能し、亡くなった人の魂を解放し、祖先の領域への移行を助けるために設計された集団的な儀式。「カナガ」と呼ばれる大きなマスクをつけたダンサーが集まります。悲しみよりもむしろ、亡くなった人々の霊を、生者の間から祖先のコミュニティに送り出す、精神的な変革と共同体の責任に重点が置かれているとされます。
 
また、「シギ」は60年ごとに行われる儀式で、この中で長老たちは若者に隠された宇宙論の知識を伝えるとされます。平均寿命が60歳以下のマリにおいて、「シギ」はどの世代にとっても、一生に一度の精神的な節目となっています。宇宙の再生と再生を象徴するグレートマスクなど、この時期にのみ使用されるものもあると言われています。

ドゴン

これらの仮面ダンスや儀式は単なるパフォーマンスではなく、地上の存在を天上の力と結びつけるものとして存在し、共同体、宇宙、そして霊界が交差する瞬間でもあります。
ドゴン族の人々にとって社会の結束と精神的な調和に不可欠な手段なのです。
 

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