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クバ王国とクバ布について
ABOUT KUBA

 


クバ王国(1625年 - 1900年)とは、植民地以前の中央アフリカで、周囲をサンクル川、ルルア川、カサイ川に囲まれた、現在のコンゴ民主共和国中南部に位置していた王国です。王を含むブショング族を中心に約18の民族集団からなる森とサバンナの王国でした。
 
ジャングルと広大な草原に囲まれ、孤立した環境だったクバ王国は、地域全体で綿花が取れないことから、ラフィア椰子の葉や繊維で衣装を作る独自の文化を編み出しました。

クバ布

クバ布(クバクロス)とは、クバ王国内のそれぞれの民族が独自の技法とデザインを発展させてきた、伝統的なラフィア布の総称です。ショワ族が作る“草ビロード”や、ブショング族の“ンチャク”、ンゴンゴ族の絞り布など、個性的なデザインは世界的のコレクターの心を惹きつけます。
 
クバ布をつなぎ合わせた衣装は、現在も祭りや結婚式などの大切な晴れ舞台の場でまとわれるとともに、葬儀の際には死装束としても用いられるなど、クバの人々にとってとても大切な品です。


 

ショワ族の草ビロードとは
ABOUT SHOOWA RAFFIA CLOTH

 


様々なクバ布の中でも、最も有名なものの一つが、ショワ族のラフィアの刺繍布(草ビロード)です。
 
男性がラフィア椰子の葉から糸を作り平織りの布を織ったあと、女性が植物などで染めたラフィアの糸で刺繍して作っています。刺繍の技法は、ラフィアの糸で平織りの表に出た目をひとつずつ拾う"ミシーン"と呼ばれる技法と、同じく目をひとつ拾って、細かくほぐした糸を通し、それを1−2mmの長さに切り揃える"ランバット"と呼ばれる技法の2種類で構成されます。

クバ布

切りそろえられた糸が一定の面を埋めると、ビロード(ベルベット)状になることから「草ビロード」とも呼ばれています。
繰り返し織り込まれる、幾何学的な文様のモチーフは、動物や、雷などの自然現象など、生活の中で関わりをもつ身近なものをモチーフとされたものが多く、繰り返し使われています。
一枚を製作するのに長い年月を要するため、途中で材料や色味が変わったり、気分が変わって柄が変わったりと、自由でおおらかなアフリカらしい感性が魅力の一つ。

クバ布

ヨーロッパを中心に様々な芸術家にも愛されたこの布は、テーブルに敷いたり、壁に掛けたり吊るしたりするだけで、私たちの暮らしにも独特なアートな雰囲気をもたらしてくれるでしょう。


 

ブショング族のアップリケ布とは
ABOUT BUSHOONG RAFFIA CLOTH

 


ブショング族のアップリケの布は、男性装束用の「mafel(マフェル)」と女性装束用の「n'tchak(ンチャク)」に大別されます。「マフェル」は身分に応じて布を赤く染めたり、宝貝やビーズが付けられたりと華やかな装飾と、細かい決まりごとがあるのに対し、「ンチャク」には決まりごとがなく、自由に作られます。
 
ラフィア椰子から作った糸で男性が平織りの生地を織り、その織り生地を女性が棒などでたたいて柔らかくし、それを10 枚ほど横につなぎさらに基本の形を作った後、モチーフとなる形をラフィアの布から切り取って、アップリケを施します。このアップリケは、生地をしごいた時に出来た穴を埋めるためにつぎあてをしたのが始まりとされていますが、美意識の高いブショングの人々はここに様々なモチーフを用いて、絵画のように発展していきました。

ンチャク

布や衣装のモチーフはクバ王国の王宮で用いられた工芸品に使われているモチーフと共通のものが多く見られますが、無数にある文様の組み合わせや解釈の方法を私たちが理解することは難しいでしょう。
 
だからこそ、インテリアやものづくりに、様々なアレンジを加えながら、既成概念に縛られず、想像力を広げてお楽しみいただきたいアイテムです。

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